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映画 「オール・イズ・ロスト~最後の手紙」

今年の映画は力作ぞろい。観たい映画がいっぱいで選ぶのが大変です。

そんな中で今回観たのは、ロバート・レッドフォード主演の「オール・イズ・ロスト~最後の手紙(原題: All is lost)」。
All is lost 1

数年前にトム・ハンクス主演の「キャスト・アウェイ」という映画がありました。トム・ハンクス演じるチャックが載った飛行機が墜落し、奇跡的に助かったチャックは無人島で目を覚まします。時たまバレーボールの”ウィルソン”に話しかける以外、台詞はほとんどなしという映画でした。

が、この「オール・イス・ロスト~最後の手紙」は「キャスト・アウェイ」以上に台詞のない映画でした。

登場人物はロバート・レッドフォードただひとり。

しかも台詞もなければ登場人物に名前もない。

主人公の男は、クレジットに”Our man”とだけ書かれていました。

台詞もなければ、名前もない映画。どんな映画かといいますと...

*********************

映画は”男”が家族にしたためた手紙ではじまります。

そして画面は8日前にフラッシュバックします。

ヨットの中で眠っていた男(ロバート・レッドフォード)は、水漏れに気が付き目を覚まします。

見ると、漂流してきたコンテナがヨットにぶつかり、船体に穴があいている。

手持ちの道具を出してきて、穴の修理をし、ヨットに溜まってしまった水を吐き出す作業をモクモクとこなします。

やっとこのトラブルが片付いた頃、空を見ると真っ黒な雲が見え、ストームが来ることを知ります。
All is lost 3

今度はストームとの戦いで、男は次から次へと襲ってくるトラブルに果敢に立ち向かっていくのですが...

**********************

映画の中で、男は独り言もほとんどいいません。

淡々と彼がどんなふうにこの8日間を過ごしたのかを、ただカメラが追っていくだけです。

映画の中でわかるのは、男には家族がいるらしいこと、インド洋を単独航海中であること、ヨットはかなり熟練であること。
All is lost 2

さまざまなトラブルに陥っても、じゃあどうすればいいか、という判断力にたけ、問題を解決していく能力のある男、だということ。

どんなことにもめげず、その時に考えられるベストの解決策を考え出し、乗り越えていこうとする姿に、観客は手に汗握って彼から目を離すことができなくなります。

台詞がないので、男の行動や表情で、彼のやろうとしていること、思っていることをわたしたちは読み解いていくしかありません。

しかも言葉がないので、波の音、風の音、帆のはためく音、船が揺らぐ音、など自然の音がどんどん耳に入ってきます。

おだやかな時は、もうただただ感謝したいくらい美しいのに、一転すると大荒れに荒れ狂う恐ろしいほどの力を持った自然。

まるでわたしたちも男と一緒にインド洋を漂っているかのような錯覚さえ感じます。

溢れるばかりの物にかこまれ、パソコン、携帯などの機器にたより、沢山の人と関わりあいながら生きている私たちと対照的に、

限られた物たちも、ひとつ、ひとつ手放し、機器も全く使えず、たったひとりの「自分」しか頼りにならない状況で、人はどんなふうに行動して、どう生きるのか...。
All is lost 4

それをこの映画は表現しています。

そして男は最後に”生に対する執着を手放す”のですが...。

この最後のストーリー展開は、スピリチャルワールドの世界を映像で語っている、と言っても過言でないほど。ピ~ン、と来る人には、スト~ンと落ちる、そんな終わり方でした。

この映画の監督・脚本をしたJ・C・チャンダー、ただ者じゃない、すごい監督です。


ロバート・レッドフォードは、大大好きな役者さんなのですが、あらためてすごい役者さんなんだと感じました。

全編水上撮影。77歳になられるのに、こんな過酷な撮影をされたことに敬服します。


先日観た「グラビティ」は宇宙でさまよう物語で、「オール・イズ・ロスト」はインド洋でさまよう物語。

場所は”宇宙”と”インド洋”と違うけれど、サバイバル・アクションという点でこの二つの作品は類似しています。

一つはハイテクなビジュアル・エフェクトを使い巨額な売り上げを上げていて、一つは低予算で作られるインディーズ・フィルムでそこそこの売り上げ。

でもハイテクなビジュアル・エフェクトを使わない低予算のフィルムでも、私たちの心をがっちりと掴み、感動的なヒューマン・ドラマを作れる、ということはすごいことだと思います。

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テーマ : 映画感想
ジャンル : 映画

コメント

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Re: タイトルなし

こんばんは。

ロバート・レッドフォードがお好きでしたら、是非どうぞv-352
渋くてとってもカッコよかったですよ~。

そして映画自体も見ごたえたっぷり!

> 人って最後だと思うと伝えたい事も話したい事も、いっぱいあるけれど、愛してるとか、ありがとうとか、そういうシンプルな事なのかもしれないなと。。。
きっとそうなんだろうと私も思います。シンプルだけど、私たちの心のベースで、私たちを生かし突き動かしている感情が愛とか感謝なんですね。

> 物や情報があふれかえっている今、だからこそ不便だったり頼りすぎていたり、人も人に振り回されたりだなと思ってしまいます。
そうなんです。この映画では、一つひとつ使えるものが減っていき、手持ちのものの中で工夫して使っていかなければいけないのだけど、そのシーンは残酷でもあり、でも物がなくてもなんとかなる、っていうことを伝えたりしていて、物に頼りすぎている自分の生活をふと振り返ったり...

切り口が沢山ある映画でした~。
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