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オペラ 「影のない女」

とっても楽しみにしていたリヒャルト・シュトラウスの「影のない女」。

前回メトで公演されたのは2001年 2003年のこと。12年 10年ぶりの公演です。
(今のプロダクションが初演されたのが2001年でした)

私にしては珍しく、このオペラのことはよ~く覚えていて(笑)、セットとかも結構好き系だったし、シュトラウスらしいメロディアスな音楽だったのを記憶していました。

が、今回は指揮者もキャストもいいときている!

期待度大で、この演目を観てきました。


感想はですね~、期待を裏切らない、すばらしい出来でした!!


指揮者はVladimir Jurowski(ユロフスキ)。彼の指揮するメトのオーケストラは別物になっちゃってました。オーケストラの音って、指揮者でこんなにかわるものなんですね。メトのオーケストラだけを聴くためにメトに行ってもいいくらいすばらしかったです。

歌手はというと、まずは皇后役ののAnne Schwanewilms(シュヴァネヴィルムス)。彼女の演じた皇后は高貴で、うっとり。
Die Frau 3

霊界の娘が白いかもしかに姿をかえて遊んでいる時に、彼女は狩りに来た皇帝に捉えられてしまいます。が、美しい女の姿に戻った彼女は皇帝と愛し合い、結婚をし、皇后となります。でも人間ではない彼女には影がなくて、子供を宿せない。影を得るために人間界へ降りていき、影を売ってくれそうな貧しい染物師バラクの家へ行きます。

なのですが、皇后は、この夫婦から影を奪い取ることを最終的にはためらいます。

皇帝への愛と、自分の欲しいものを貫くために犠牲となる人たちのはざ間で、決断を下すのですが、その心の動きをすばらしく表現していました。

役の変容をすばらしく具現していたというと、もう一人、バラクの妻役のChristine Goerke(クリスティン・ゴーキー)。
Die Frau 1-1

夫に不満を持ち、彼との子供を持つこともいやがる彼女は、魔法によってあらわれた若い男の姿をみて心が揺れたりするものの、最終的には夫の優しさや愛に気付く、感情の揺れる役。

そんな役を表現力豊かに歌っていて、彼女に感情移入してしまいそうでした。

彼女はニューヨーク出身なんですね。これからメトでの活躍が楽しみです。


さて、今回のセットは2001年にお目見えしたもの。

古さは感じないのですが、最近みないつくりなのでなんとなく新鮮に感じました。

霊界の世界を上階に、人間界を下階に持ってきて、セットを上下に上げ下げしたり。
Die Frau 2

お城のシーンは鏡張りでキンキンキラキラ、皇帝が石になる時は鏡のモザイクのようなこれまたキラキラ衣装を着たりしていてとても眩しかったりするのですが、霊界を光の世界として表現しているのはなんとなく理解ができます。
Die Frau 4

個人的に好きだったのは赤い鷹の舞うシーン。赤い鷹は人間が踊りで表現しているのですが、とっても幻想的。
Die Frau

最近のアブストラクトな舞台や、奇抜な発想の舞台が多いなかで、オペラに描かれている細部をよく吟味して創られた舞台をみると、しっくりくるし、ほっとするし、逆に新鮮に感じました。

ちょっと前まではこんな舞台づくりが多かったんですよね~。なんか懐かしさを感じました。


でもですね、気になるのは、こんなすばらしい舞台なのに、席が埋まっていなかったこと。

この作品はシュトラウスの中でも人気演目、というわけでもないですし、いわゆるスター歌手が出ているわけでもないのですが、ちょっと前だったらこの手のオペラはオペラ好きな人たちがたまらない演目で、私が座っている上の方の席は結構埋まっていたはずなんですね。

今年のメトは今のところ観た演目全てはずれなしなのですが、真夏の夜の夢も空席が目立ったし、ちょっとメト大丈夫?と心配になるほどです。

もともと観客の年齢層が高いのがオペラなのですが、今まで来ていた人たちが、ひとり減り、ふたり減りしているんじゃないか、と不安を感じます。なんかさびしいな~。


そうそう、最後にこのオペラのストーリーについて。

最近、アートの中にふんだんに織り込まれているスピリチャルなメッセージをたくさん受け取れるようになった気がします。

例えばこのオペラだと皇帝と皇后、バラク夫婦の愛についてを描いているのですが、

皇后は皇帝と末永く幸せに過ごしたいために、影を得る方法を聞きだし、人間から影をもらおうと下界に下りますが、自分の幸せのために他人を犠牲にすることをためらいます。

バラクの妻は、夫に不満を持ち、夫のふるまいで気に入らないことにイライラしているのですが、彼の彼女に対する深い愛情に気が付きます。

それぞれ「気付き」があり、自分の「ハートに従って行動する」ことで昇華されるのです。

人間が昔から変わらず持っているもの-「表現すること」「愛」は普遍で、どんな古い時代に遡ってもこの二つはどの時代にも見ることができます。

むかしから、人間に必要な生きかたや考えかたは形を変えてずっと語られているんだなぁ、とこのオペラをみて感じました。

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テーマ : オペラ
ジャンル : 音楽

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Re: 影のない女につられてお邪魔します

Kinoxさん、こんにちは。はじめまして。
コメントをありがとうございます。

オペラ通のKinoxさんですよね! そんな方に私のブログを拝見いただいたとは恐縮です。

> この演出の再演は二度目で、2001-02の初演の後、2003年にもやっていましたので、12年ぶりではなく、10年ぶりの公演です。
そうだったのですね。あまりきちんと調べもせずに書いてしまいました。あとで直しを入れておきます。

> むかしといってもこの作品の初演は第一次大戦後の1919年のことです。食べ物の苦労や子供を産もうではないか、などそういう戦後っぽい要素に違和感がある観客もいるかもしれませんけれど、フロイト的な世界色も濃くて、現代人の心情にも通じやすいところがありますよね。今回優秀な音楽家たちで再演されてよかったです。

”現代人の心情にも通じやすいところがありますよね”はい。私も同じように感じました。

> かなり紙上評が良かったし、ゴーキの地元(NJ在住)スター誕生が話題になっていたせいか、お客さんもどんどん増えていって、先週末のマチネなどはHD上演日かと思うくらいの入りだったとわたしは思ってましたよ。
私が行った日は週日で上のほうの席に空席が目立っていたのでなんてもったいない!!と思ったのですが、それはよかったです。素晴らしいオペラだったので、多くの方に観ていただけるのは私も嬉しく感じます!!

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マンハッタンを眺めながら、ニューヨークの出来事、映画、音楽、おいしいもの、旅の話などを徒然と綴ります。

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