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バレエ版 "椿姫(Lady with the Camellias)”

先週の話になるが、ABT(American Ballet Theater(アメリカン・バレエ・シアター))の”椿姫(Lady of the Camellias)”を観に行った。

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今シーズンのABTは創立70周年ということで、記念行事が目白押し。その一環でABTカンパニー初演のバレエ版”椿姫”が上演されるということで興味があった。

”椿姫”といえばヴェルディで有名なオペラがある。私の大好きなオペラのひとつだ。オペラとバレエの見比べをしたいと思い、チケットを購入した。

ABTで上演されたバレエ”椿姫”は、アレクサンドル・デュマの原作小説を基に、ジョン・ノイマイヤーが振り付けをしたもの。ストーリーはオペラと違い、原作により忠実に出来ている。なので英語のタイトルも"Lady of the Camellias"。

登場人物はオペラと違い、主人公の高級娼婦はヴィオレッタではなくマルグリット、ブルジョア階級の青年はアルフレードではなくアンマンとなっている。

音楽は、フレデリック・ショパン。プロローグと全3幕からなる。

プロローグでは、マルグリッドの邸宅で、彼女の遺品の競売が行われるところから始まる。この始まり方が面白かった。オーケストラピットに指揮者が入ってこずに、オーケストラの音あわせだけで、劇場が暗くなりはじめ、登場人物たちが競売のシーンを演じはじめる。音なしで幕が開けるのだ。まるで演劇を見ているような演出だ。

1幕目と3幕目にオーケストラが入ったが、全3幕を通して、メインはほとんどがピアノ曲。これがとても素敵だった。ピアノの音がバレエとストーリーとマッチしていて素晴らしい。オペラとは違い台詞(歌)はないので、バレエ(踊り)と音で感情を表現している。

オペラはドラマチックだけれど、バレエは甘美で優美な世界。甘ったるい化粧の匂いがしてきそうな世界だ。

さらにバレエ版”椿姫”がよかったのは、”マノン・レスコー”のストーリーを絡めて展開していること。奔放な生活を楽しみ、男たちを弄び、自ら破滅していくマノンに自分を重ねるマルグリッド。この劇中劇が、これからのストーリーを暗示させる。このバレエシーンもとても官能的でよい。

私が見たのは、マルグリッドをジュリー・ケントが、アンマンをロベルト・ボッレを踊った日だった。バレエのことは詳しくないが、ジュリー・ケントはベテランで、ロベルト・ボッレは若くかっこいい青年だ。このコンビがまたよかったと思う。

ジュリー・ケントは気品に溢れ、優雅で、サロンのスターの貫禄がある。と同時に病をわずらいながらも愛を選び、思い悩み、思慮深い、大人の女性を体現している。(一つだけ言えば、あまりに気品がありすぎて、マルグリッドのしたたかさみたいなものがなく、心優しく美しくなりすぎているところが否めない。しかしそれには目をつぶろう)ロベルト・ボッレは躍動感に溢れ、若々しさとあぶなっかさを持ち、愛に盲目で直線型のアンマンにぴったりだった。

Lady of the Camellias

そしてラスト・シーン。オペラでは、最期が近づいたヴィオレッタのもとへ真実を知ったアルフレードが駆けつけ、彼の腕の中で亡くなるが、バレエでは、マルグリッドがアンマンへの思いを日記に託しながらたった独りで死への旅路へ向かう。それと同時にアンマンがマルグリッドが遺した日記を読む場面が、同時に舞台で演じられる。涙をそそるシーンだ。私としては、オペラよりもバレエの最期のシーンの方が好きだ。

また音楽が素晴らしい。さすがショパン。美しい旋律が、耳に、体に、ジンジンと染み入ってくる。

隣に座っていたおばあちゃんは、バレエが一番好きで、毎シーズン楽しみにしている、と言っていた。バレエもまた同じ振り付けであっても踊り手で内容が変わってくるので、別のキャストで”椿姫”を観に行くのだと言っていた。なるほど、オペラでも歌手によってオペラが変わるので、同じ演出でもいろいろと観に行くのと同じなのだ。

同じ原作でも、表現の手法が違うものを見比べてみるのはとても面白い。

想像以上に素晴らしく、優雅なひと時を楽しんだ。

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テーマ : ニューヨーク
ジャンル : 海外情報

コメント

No title

Sakuraさんのこの記事を読んで、「椿姫」と「F・ショパン」の組み合わせを初めて知りました。
頭の中には、「椿姫」=「ヴェルディ」しかなかった・・・。

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振付家のノイマイヤーは、原作小説から直接想を得て、原作と同時代の作曲家フレデリック・ショパンの楽曲を用いて振付けた。
[Wikipedia-椿姫(バレエ)より]
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「サロン」がKeyかな・・・。

どんな曲が使われているのか、もの凄く興味あります(^o^)

Re: No title

私もです。こういう「椿姫」があるんだって、今回はじめて知りました。(バレエは詳しくないもので)

バレエの椿姫はとても官能的で、ドラマチックなオペラの椿姫とは全然違うのが面白かったです。

ショパンの曲って、本当に美しいですね。You Tubeでヨーロッパの公演が見れるようです。興味があったら見てください。うっとりします。
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