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オペラ 「ウェルテル」

ここで旅の話しはちょっと休憩して、別のトピックを書きたいと思います。

最近観たオペラの中でピカイチだった「ウェルテル(Werther)」


このオペラはゲーテの「若きウェルテルの悩み」を基にしたオペラで、作曲家はマスネ。そう、フランスの作曲家が作曲しています。

思いっきりロマンチックなストーリーに、フランスのスコアが付いたらどんなものになるのか、それをカウフマンが演じたらどうなるか、とても楽しみにしていました!


ウェルテルの物語って、私的にはちょっと好きじゃない話でして。

多感な青年詩人のウェルテルは、大法官の娘で従兄弟のシャルロットに恋心を持っているんですね。で、二人で舞踏会に行く機会があるのですが、そこで彼女には亡き母が望んだフィアンセがいることが判明。
Werther 4

その後彼らは結婚するのですが、ウェルテルはあきらめることが出来ない。人妻になったシャルロットにもう一度自分の気持ちを伝えるのですが、
Werther 3

拒絶され旅に出る。

それでも忘れることができなかったウェルテルは彼女の元に戻ってくるが、思いはかなわず自殺する...


今ではストーカーと言われてもおかしくない状況なのだけど、救われるのは、実はシャルロットも彼のことが好きだった、ということ。それでも亡くなった母親の望みとならば逆らえず、自分の気持ちを押し殺して別の男性と結婚してしまうところが時代なんでしょうね。


こういうある意味超ロマンチックなストーリーをマスネが曲にすると、優美の極致!

通常ならば”メソメソしてんじゃないよ!”て叱咤激励してしまいそうな浮世離れしたロマンティストのウェルテルに、気が付いたら感情移入していました。

まぁ、それもそのはず。

ヨナス・カウフマンのウェルテルが素晴らしかったから!

カッコいいのにちょっと秘めたところがあって、陰のある男。それがピッタリなのです。もしもこの役を力強い情熱的なテノールが歌ったら、だいなしなのです。

カウフマンのちょっと病的な感じで、一途で、彼女しか見えていない!ウェルテルを観ていると、”ああ、そんなに彼女のことを思っているのね”と共感すら感じてしまう。

カウフマンは、数年前のヴァルキューレでジークムントを演じた時に私のハートの矢が刺されたのですが、その後のファウストはイマイチで、去年のパルジファルは素晴らしかったのだけど、今回の役はカウフマンの魅力が十二分に引き出された当たり役だと思いました。

カウフマンってちょっと声がつまった感じがしたり、声量が少なかったりするのですが、今回のメトでも最初そんな感じがしたのですね。でもだんだんと声がよくなって、1幕目の後半から目が離せなくなっていました。

彼の舞台って、歌と表情と体での表現とがピッタリとマッチした時にとんでもないところへ昇華する、って感じるのですが、そんな舞台でした。

最後のシーンなんて、彼のかなわなかった恋と選択に、うっすらと涙が浮かぶほど。
Werther 1

舞台はとてもキレイで全体的にはいいのですが、ちょっといろいろと説明しすぎている、っていう批評には同感です。そこまで表現しなくても、マスネの音で十分なのでは、と感じたところがいくつかありました。

シャルロット役のソフィー・コッシュは過去カウフマンと同役を共演しているそうで、息があっててよかったです。

フランス人指揮者、Alain Altinogluの奏でるマスネは甘美な世界。

これは最近観たオペラの中でも忘れられない舞台でした!

もしかするとHDで鑑賞する場合彼のクロースアップも観られるので、「ウェルテル」のHDはかなりいいかも(期待値大)です。

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テーマ : オペラ
ジャンル : 音楽

コメント

「ウェルテル」のご紹介有難うございます。
う~~
とっても見たくなりました。
公開を楽しみに待ちます☆

Re: タイトルなし

返信が遅くなりすみません。

やっと「ウェルテル」のことを書けました。今回のウェルテルはとても感動しましたので、観に行かれるなら嬉しいです♪ もしご覧になられたら感想をお聞かせくださ~い。

衝撃的なウェルテル

Sakuraさん、こんにちは♪

歌うエリック・バナ、観て参りました☆

凄いですね、感動してしまいました、見ていて泣きそう。
ストーカー話だと思っていたんですが、あまりに二人が熱演で。
これはアラーニャにはできない演目だと思いました。

歌唱はもちろんのこと、カウフマンの醸し出すMっぽさが凄くいい感じです。
もっと苦しめ~カウフマンって、苦しむカウフマンがエエ~

舞台演出がまたとてもよくて、ウェルテルを抱きしめてそのままカーテンが閉まったって全然問題無いのに、
最後にシャルロッテが意志をもって小箱を開ける、そしてカーテンが下りる、という演出は現代的で衝撃を受けました。

Sakuraさんのオススメがなかったら見逃すところでした。
いつも貴重な情報をありがとうございます☆

Re: 衝撃的なウェルテル

ミカさん

ご覧になられたんですね~♪カウフマンのウエルテル。

> 歌うエリック・バナ、観て参りました☆

ぶぶぶっ。おもわず吹き出しちゃいました。そういえばソックリですね。言われるまで気が付かなかったけど。コレ、どこかで使わせてもらいます(笑)

> 凄いですね、感動してしまいました、見ていて泣きそう。
> ストーカー話だと思っていたんですが、あまりに二人が熱演で。
> これはアラーニャにはできない演目だと思いました。

でしょ、でしょう。私もウエルテルの話ってあんまり好きじゃないんですが、このオペラ観ていてだんだんとのめり込んでいる自分がいて、最後はうっすらと涙浮かべてました。これがオペラの魔力なんですね~。
アラーニャにはできない演目。。。なんていうか、明るい声だとこのオペラには映えないんですよね。ちょっと病的な暗さがないとオペラがダメになっちゃうのです。

> 歌唱はもちろんのこと、カウフマンの醸し出すMっぽさが凄くいい感じです。
> もっと苦しめ~カウフマンって、苦しむカウフマンがエエ~

うむうむ。そうなのです。

このオペラ、ご覧いただいて私も嬉しいです♪ 私的には今シーズンではお気に入りのオペラでしたので。
このオペラのあと、ちっともオペラネタにたどり着けていないのですが、がんばって書こう!という気にちょっとなりました(笑)。


>ちょっと病的な暗さがないと

カウフマンのちょっと弱っちそうな雰囲気がウェルテルに合っておりますね。
バイエルンの人のようですが、ドイツ語も南の訛りが無くて綺麗でした。
頭脳明晰ってこの人のためにある言葉ですな~

テノールっていうのはその音域が出るだけで稀有な才能、そのうえで音程が合っていて、感情込められたら神です。
怖いものなし、というところですね。
そんな完璧な彼が、本気出して苦しむのが見られるなんて・・・とってもエロっぽいと思います。

これからもいろいろご教示くださいますようお願いいたします☆

Re: タイトルなし

ミカさん、こんにちは。

> テノールっていうのはその音域が出るだけで稀有な才能、そのうえで音程が合っていて、感情込められたら神です。

ホントそう思います。あの声が出るだけでもすごいのに、音域が合って、しかも感情が込められたら神、って、その通りですよね。すごいことだと思います。

> そんな完璧な彼が、本気出して苦しむのが見られるなんて・・・とってもエロっぽいと思います。

それなのに感情が込められるだけでなく、役になりきっちゃうと、もう鳥肌ものですよね。しかもあんなカッコいい彼がひとりの女性にのめり込み、苦しむのを目の当たりにしちゃうと、こっちも苦しくなってきます。
が、カウフマンの場合苦しみも昇華して、Mっぽくなっちゃうんですよね。苦しみも喜びのうち、みたいな。
いやぁ、すごい舞台でした。こういうの観ちゃうとオペラがやめられなくなります。



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マンハッタンを眺めながら、ニューヨークの出来事、映画、音楽、おいしいもの、旅の話などを徒然と綴ります。

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