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映画 「ウェイティング・フォー・スーパーマン(Waiting for "Superman")」

アメリカの教育システムを取り上げたドキュメンタリーフィルム 「ウェイティング・フォー・スーパーマン(Waiting for "Superman" 邦題「スーパーマンを待ちわびて)」。

Waiting for Superman 3

この映画は、世界的に大ヒットしたドキュメンタリー・フィルム「不都合な真実(An Inconvenient Truth)」の監督、デイヴィス・グッゲンハイムの作品だ。

地球温暖化の次に彼が選んだテーマは、アメリカの公立学校のシステムについてであった。

アメリカの公立学校の抱える問題を、ニューヨーク、ロサンゼルス、ワシントンDC、サンフランシスコに住む、5つの家庭の子供たちを追いながら描いている。

70年代には教育水準が世界のトップであったアメリカ。今もアメリカの学校で学ぼうと、世界各国から沢山の留学生がやってくる。

しかし、アメリカの教育の実態は相当深刻なものになっている。現在アメリカの10代の数学と科学の成績は、先進30カ国で最低レベルとなっているそうだ。(ちなみに数学のレベルは韓国が1位、2位が日本であった。)

アメリカは日本と違い、学校によっての格差がとても激しい。

いい学校がある地域は、その分税金がとても高い。お金持ちはお金持ちの地域に、お金のない人はその人に見合った地域に住む仕組みになっている。そして教育水準も、それによって比例している。

映画の中で、英語の読み書きが全米の水準に至らない学校、数学の水準に至らない学校の数が出てくる。全米の水準に満たない学校を”Failing School(落ちこぼれた学校)”と呼ぶが、その数をみると、いかにアメリカの教育問題が深刻かがリアルに伝わってくる。

Waiting for Superman 1-1

教育の問題は根が深い。これが問題だ、と、ひとつ、ふたつポイントアウトできるものではない。

沢山かかえている問題のひとつとしてまず挙げられるのが、家庭環境、住む場所の環境問題だ。

例えば、貧しい人たちが住む地域だと、家をサポートするために、高校を中退して働かざるをえない子供たちが沢山でてくる。こういう地域では、高校に入学したものの、卒業せずに中退してしまった生徒数の数が驚くほど多い。高校を卒業できなかった子供たちが就ける仕事には限りがあり、彼らの将来は決して明るくない。

この問題に加え、映画の中では、教育問題の大きなポイントのひとつとして、今の学校の先生の制度の改正を挙げていた。

アメリカの学校の制度では、先生を解雇するには24のステップを要する。

医者や弁護士を解雇するよりも、学校の先生を解雇するほうが難しいのだそうだ。その解雇率は2500人に1人の割合だ。

学校の先生は10年勤めると、その後ずっと教師を続けていられるという法律で守られている。彼/彼女らのパフォーマンスに限らず、だ。

やる気のない、教える気のない先生は、解雇されることなく、転々と次の学校へたらい回しされる。それが延々と続く。映画ではこれをレモンダンスとよんでいた。

この法律で、犠牲になるのは子供たちだ。

もちろん、そんな先生ばかりではないだろうし、これは問題のひとつの見方だとは思う。

しかし、明らかに問題のある先生を放置しておいていいわけはない。が、現状として、教職員組合が改革の障害になっていると映画は語っていた。

実は映画の中にも登場した、全米で最も教育に問題のある地域、ワシントンDCでChancellorとして果敢に教育問題に取り組んでいたMichelle Rheeが、今日、このポストを辞任したとのニュースを見た。この映画を見たばかりなので、なんというタイムリーな報道だろう。

彼女は教職員組合の改革を目指し、斬新的な法案を打ち出し、なんとかワシントンDCの教育レベルを上げようと努めていた。しかし彼女のやり方は、あまりにも急進しすぎて、賛同を得ることができなかった…。

さらに映画の中で、自分達が十分に受けられなかった教育を、子供たちには受けさせたい、と切実に願う親が、地元の公立学校では、大学にいけるレベルの教育が受けられず、悪循環のベルトコンベアーに子供を乗せてしまうだけと認識し、一縷の望みをかけて、倍率の高いチャータースクールに子供たちを入学させるべく、手続きを取る姿をドキュメンタリーで追っていた。

そこに入学するには、成績やアカデミックな経歴は特に必要ない。

必要なのは「運」のみだ。

入学に選らばれるのには「抽選」に当たらなければいけないのだ。

学びたい、学ばせたいと真に願う親や子が、学ぶ権利を得るには、運よくくじに当選するしかない、という事実。当たらなければ、せっかく通っても、大学にいけるだけの十分な教育を得られない。わかっていても他に選択肢がなく、子供たちをそこへ通わせなければならないという、残酷な現実。


子供たちは次世代を築いていく大事な宝だ。そして現代社会を生きていくには、教育はとても必要なものであるはずだ。

未来の繁栄を担うはずの子供たちに十分な教育を与えてあげるのが、私たち大人たちの役目のはずである。しかし現実は、大人たちのエゴにより、子供たちの多くが、自分が受ける教育の場を得られないでいる。

この映画は、今アメリカで抱えている教育問題に目を向け、どこに問題があるかを認識し、改善できるものは改善していこう、という前向きな姿勢のもとで描かれている。

子供がいてもいなくても、教育問題は、私たち一人ひとりが抱える問題として認識することが必要で、解決に持っていくには、一人ひとりがどのように貢献できるかを促している。

アメリカで子育てをしている人、そうでない人も、今のアメリカの抱える問題を認識する意味で、とても興味深い映画である。

Waiting for "Superman" Trailer

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