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宮本亜門演出 「金閣寺」

今年のリンカーン・フェスティバルの目玉、宮本亜門演出の「金閣寺(The Temple of the Golden Pavilion) 」に行ってきた!

宮本亜門さんが演出の舞台が観られると言うことで、今シーズン一番楽しみにしていた演目だ。

「金閣寺」は三島由紀夫原作で、金閣寺放火事件を基にしたフィクション。


リンカーン・フェスティバルでも一押ししていた演目だけあって、チケットは毎晩ほとんど売り切れ状態。当日のお客さんは日本人も確かに沢山いたけれど、アメリカ人が多かったように思う。

場所はコロンバスサークルにあるTime Warner Centerの中にある、”Rose Theater”。この劇場に入ったのははじめてだったけれど、中がゆったりとしていて大きさも大きすぎずとてもいい劇場だった。


さて、このプレイだが、舞台演出がさすが宮本亜門さんの舞台!だと思った。

小物の使い方が抜群なのだ。

三島由紀夫さんの原文は、流れるように美しい文体で書かれている。

それを劇にする時に、彼はあえて大事なところはナレーションとして彼の原文をそのまま使い、そうでないところはダイアローグや、踊り、音楽や映像を駆使して、ストーリーがひとつの円になるように、上手くつなぎ合わせて創られている。

3時間という長い舞台も、全く長く感じさせない舞台づくりであった。


幼少の頃から吃音のためからからかわれ、女性ともコミュニケーションがとれず、周りの人たちと精神的な壁を感じていた溝口(森田剛ー彼は日本のボーイバンドV6のメンバーだそうだが、私はV6が何かも知らない )。彼は僧侶であった父から金閣寺が如何に美しい存在であるかを聞かされて育っていた。

やがて溝口は、父の修行時代の知人が住職を務めていた所以で金閣寺に修行に入る。そこで自分とは全く正反対の明るい性格を持つ鶴川に出会う。鶴川は溝口の吃音を全く気にせずに友人として溝口と接する。
Golden Pavilion 3

戦争が終わり、大学に通い始め、友人であった鶴川に、友人づきあいをお互いに広げたほうがいい、と宣言される。孤独にまた陥りそうになったときに、足に内反足の障害を持つ柏木と出会う。障害児柏木と、自分の吃音を重ね合わせ、彼に話しかけるも、柏木は自分の障害を逆手に使い、女性を次々に自分のものにする男であった。またまた自分とは違う生き方をする柏木に、距離をおきながらも友達として付き合っていた。
Golden Pavilion 2

溝口は、柏木から女性を紹介されたりするが、いざという時になると、必ず金閣寺が頭の中に出てきてコトが成就できない。「金閣はどうして私を護ろうとする? 頼みもしないのに、どうして私を人生から隔てようとする?」

疎遠になっていた鶴川は、母が危篤で故郷に帰るが、自殺をはかる。鶴川は、実は柏木とも友人関係であり、彼には自分の心の闇の部分を打ち明けていたことを知る。

母は溝口が将来金閣寺の住職になることを期待していたが、溝口は大学を休みがちになっていった。母は住職に謝り、溝口の将来を守ろうとするも、ある時、溝口は金閣寺の住職が、愛人といるのを目撃しそのことを住職に伝え、さらに柏木からお金を借りたことがバレ、将来の望みがなくなる。

溝口は、自分の心うちに閉まっておいた内側と外側のドアを開け、自分を支配している金閣寺の放火を決意する。
Golden Pavilion 1


自分の意思なのか、もしくは意思に反して巻き込まれるかのように、全く違う性格をもつ友人と付き合うことになる溝口。しかも鶴川と柏木と言う、これまた一見どちらも正反対の性格を持つかのような友人を得る。

しかし、実は心の奥底では、3人ともが心の闇の部分と戦いながら、生きる意味を見出そうとしながら葛藤して生きていた。

溝口の目線からは、友人達が葛藤しながら生きている様は見えなかったけれども、3人共闇の部分がかもしだす嗅覚が、それぞれを引き寄せ、引き付けていたのかもしれない。


とても暗いストーリーなのだが、最後のエンディングに希望が光った。

「生きたい」

この劇は、人生と何か、生きることは何かを物語り、我々に問いかけている。

宮本亜門さんは、この演劇を上演するにあたり、東日本大震災後、日本が今直面している被災地復興や、放射能問題など、今日本に直面している問題と、この演劇を結びつけ、人生とは何か、日本がどうあるべきかを考える機会になれば、と語っていた、という記事を読んだが、この演劇を見て、彼の言わんとしていることがなんとなくわかったような気がした。

「生きたい」

これが全てを語っているように思った。


とにかく、ナレーション、小道具、音楽や映像、役者さんたちの立ち居振る舞いやタイミング、すべてが考えつくされ、無駄がなく、さすがシンプルさに美しさを見出すことの出来る日本人が創る芝居だと感嘆した。


とても素晴らしい舞台だった。

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テーマ : 演劇
ジャンル : 学問・文化・芸術

コメント

お久しぶりです。
金閣寺ご覧になったのですね。
こちらの芸能ニュースで森田剛アメリカで絶賛と放送され、まさか、大袈裟だなぁと思っていました。
ブログを拝見して私も観たくなりました。
演出が良かったのかなぁ。




Re: タイトルなし

日本でもこの演劇のことを報道されていたのですね。

まず、リンカーンセンターフェスティバルの演目に選ばれること事態からしてすごいことだと私は思います。ほぼ満席でしたし、いいプレイだったと思います。

宮本亜門さんは、日本の誇る演出家だと思います。森田剛は、丸坊主になって、世間と上手く折り合うことのできない青年を好演していました。また脇を固める役者さんが皆上手い!

日本で凱旋公演があるそうなので、機会があったら是非ごらんになってください!!
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