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新プロダクション オペラ「ドン・ジョバンニ」

今シーズン、上期の目玉の一つであった、モーツァルトの「ドン・ジョバンニ」。

新しいプロダクションでメトにお目見えするということでワクワクしていた。

タイトル・ロールのドン・ジョバンニ役はMariusz Kwiecienが抜擢。もともとメトのヤング・アーティスト・プログラム出身でキャリアを積んで、ようやくメトの新プロダクションの主役を歌うという大役に抜擢された彼。

ドン・ジョバン二のビジュアルは彼を全面的に押したもの。
Don Giovanni 1

ところがオープニング前に行われたドレス・リハーサル中に彼は腰を痛めて病院へ運ばれ、手術をすることに。そして彼にとっても記念すべき舞台になるべきだった、新プロダクションの初演の主役を歌えなくなってしまったのだ。

ああ、なんという悲劇。

オペラのような大アクシデントだ。

彼のストーリーを追うだけで、ひとつオペラができそうなドラマだ。彼の気持ちを思うと本当に何と言っていいか言葉もない。

こんな大アクシデントの中、メトの聴衆にとっては、この危機で、誰がドン・ジョバン二をうたうのか? これが近々の心配事でもあり、チケット・ホールダーの私たちは固唾を飲んで発表を待ったのだが、メトは我々を裏切りませんでした。

ドン・ジョバン二に定評のあるPeter Matteiが舞台に立つとのこと。

さすがメト。オペラの神様がやっぱりついているとしか思えない。こういう裏技をやってのけるとは。このチェンジは、ある意味ファンにとっては嬉しすぎる悲鳴。これ以上のチェンジはない、これでどうかっ、と印籠を突きつけられた感じだった。(水戸黄門じゃないっつうの)


さて、もともとのMariusz Kwiecienは、術後でありながら最初の3公演ほどをあけただけで舞台にもどるそうで、ということはHDの日にも彼がうたうことになる。ということなら両方のドン・ジョバン二が観たくなった!(これはオペラファンならだれでも思っていること。私ももう一枚チケットを買おうか悩んでいる。それにしてもオペラ座の劇場支配人ほど、胃の痛い職業はあるのだろうか?)


そんな怒涛のドラマが繰り広げられていた中、「ドン・ジョバン二」を観てきました。私のは10月17日の舞台だったので、代役のPeter Mattiの日。

結局Mattiは通しのリハーサルなしで初演をこなし、とてもいいレビューをもらっていたので、期待して行ったのだが、やはり素晴らしかった。
2Don Giovanni


この夏、モーストリー・モーツァルトでブダペスト祝祭楽団による「ドン・ジョバンニ」を観たが、あれはあれでよかったのだけど、メトを見ちゃうとスケールが違うなぁ、と思う。お金のかけ方、脇役にいたるまでのキャストがケタ違いだと思う。ああ、こんな舞台を毎シーズンとっかえひっかえ観れるとは、なんという贅沢なんだろう、などと思ってしまった。


さてさて、こんなワケありなスタートをきった「ドン・ジョバン二」だが、間際でタイトルロールを歌うことになったPeter Matteiは、さすが現代の歌手でドン・ジョバン二の役をやらせたら指折りのスターであると痛感した。

リハーサルを十分こなしていないので(ステージ・リハーサルなしで初演を迎えたそうだ)、細かい動きやプロダクションの意図がどれほど通じていたかはわからないが、少なくとも彼が歌うドン・ジョバン二は素晴らしかった。彼は声がいい。あんな声で口説かれたら、女は落ちちゃうよな~、というような声。

私は当たり前のことかもしれないけれど、とにかくこんな修羅場をなんとかくぐりぬけ、穴を開けずにこんな素晴らしい舞台で危機をくぐり抜けたメトに拍手を送りたい。本当にあってはならないことだけど、これほど歌手のスター性を全面的に押し出したマーケティング手法で売り出している最近のメトは、予定したスター歌手が舞台に出られないと言う危機に沢山直面している。その危機を、こんなプラスな舞台で乗り越えて、ファンを楽しませてくれたことに感謝だ。

脇をかためるキャストもちろん素晴らしく、エンジョイした。


それにしてもモーツァルトって、なんと才能に恵まれた作曲家だったのだろう。旋律の美しさ、豊かさ、キャラクターごとに、場面ごとに沢山ちりばめられているモチーフ、etc... 今も全く色あせることなく我々を魅了する音楽。時を越えて、これだけ私たちを楽しませる音楽を作曲したモーツァルトに乾杯!


<余談>
この日は、どうやらハイスクール(たぶん)の生徒さんたちの課外授業があったようで、私の周りには若い子達がいっぱいいた。私の二つ隣の女の子は、隣の男の子とおしゃべりはするは、長い足を椅子に立てひざして、太ももまるだしで座るわで、気が散らされた。 若い子達にもオペラをエンジョイして欲しいけど、もう少しマナーを持ってみてもらいたいなぁ。

<余談その2>
二幕目の最後、ドン・ジョバン二が地獄に落ちるシーンは炎があがったりする、メトらしい大掛かりなセットだった。で、この後ドン・ジョバン二以外の登場人物が全員が明るく歌うシーンになるのだが、クライマックスが終わった後、最後までオペラを聞かずに立って帰っていく人がいた。こともあろうか、私の列の女性二人。最後のシーンを観ていたのに、私の前を通り過ぎる彼女達にムッとしたのだが、一人が通りすがった後に、ほんのりといい香りが残った。う~む。香水かぁ。これで私の怒りはおさまるどころか、彼女の残した香りにやられた。最後のシーンを楽しむはずが、心は香りへと飛んでいってしまった。湿度が低くなるこの季節は、香りが引き立つ。私ももっと香りを楽しもうかなぁ、と思ったりなんかしたのだった。

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テーマ : オペラ
ジャンル : 音楽

コメント

Sakuraさん、こんばんは
マナーは子供たちだけでなく
大人もひどいものですよ~。

子供の参観日とか、たま~に行けることがあり
先生や子供たちが真剣に授業をしてる中
ヒソヒソ声が止まらない、ただ、ここにいるだけなら
廊下に出て行ってほしいもんです。

小心者のマスターには言えませんでしたが
そう感じる時があります。

マスターはオペラを見た事が無いのですが
ちょっと見てみたいです。
また違った刺激を受けるんでしょうね~。
ブログ、リンク貼らせてもらってもいいですか~?

Re: タイトルなし

きなりさん、こんにちは~。コメントありがとうございます。

授業参観でヒソヒソ話はいただけませんね~。それこそマナー違反ですよね。

> マスターはオペラを見た事が無いのですが
> ちょっと見てみたいです。
まぁ、とても嬉しいです。オペラは、歌はもちろん、オーケストラ、指揮者、舞台、衣装、歌詞、ストーリー、歴史などなどが絡み合った、総合芸術だと思っています。奥が深いので、いろいろな切り口から楽しめます。機会があったら是非観て見て下さい。

> ブログ、リンク貼らせてもらってもいいですか~?
嬉しいです!是非お願いします。私も貼らせていただいていいですか?

きなりさんのブログに出てくるおいしそうなお料理に、いつも涎がたれそうになりながら見ています(笑)。

オペラ、バレエ、競馬、etc.
基本的には社交の場です。

ですから、作品なんてそっちのけで、ゴシップに夢中になったりもします。

でもそれは、限られた階級の方々に許されること。

現代の、それも一般の人は、マナーを守って観賞してほしいものです

その点、日本人はマナー守り過ぎですよ、きっと。(笑)

香り..........。
Sakuraさん以前もおっしゃられてたでしょう~。
早く香りの虜になってください。

hih

Re: タイトルなし

Demeeさん、こんにちは。

> オペラ、バレエ、競馬、etc.
> 基本的には社交の場です。
そうですね。昔はオペラに興味がない人でも、社交のためにオペラ座に通ったものです。そんなオペラに興味のない殿方のために、キレイな踊り子さんたちが踊るバレエのシーンなんかを取り入れて、オペラの観賞が飽きないようにしていたんですよね。

メトではたま~に、寝息やいびきの音が聞えてくることはありますが(笑)、何度もヒソヒソ話、っていうのはあまりありません。だから余計に気になっちゃいました。

> 香り..........。
私もこれだけ話題にする位だったら、さっさとつけろ、って感じですよね。e-351 来週オペラ座に行くときには、何かつけていこうかなぁ。
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マンハッタンを眺めながら、ニューヨークの出来事、映画、音楽、おいしいもの、旅の話などを徒然と綴ります。

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