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オペラ 「神々の黄昏」

久々にオペラのお話です。

今シーズン、オペラの話がご無沙汰になっていました。

この間観ていなかった訳ではなく、ただ単になかなかブログに書く時間が取れなかっただけなのですが、夏休みの宿題と同じで、溜まるとだんだん億劫になってきて...、これじゃいかんと、自分のお尻をたたいて今日はオペラの話を書こうと思います。

*****

去年からスタートしたワーグナーの「ニーベルングの指環」。最後の第3夜「神々の黄昏」がいよいよメトに登場した。

私は初演の後、第2回目の公演(1月28日)に行って来た。


なが~いオペラを観続け、それがようやく完結する。

前の日からワクワク・ドキドキものだった、と言いたいのだが、実は最近忙しく、出演者の再チェックも怠って、前日の夜あらすじだけはサクッと読むという体たらくでオペラ座に向かった私。

長いオペラのため、この日の開演は6時(早っ)。当日開演ギリギリにメト入りした私は、プログラムを開ける時間もなかった...。


オーケストラが序奏を奏で、ああ、やっとここまでたどりついたのね~、と感慨深い思いで聴き入った。

エルーダの娘達ノルンが登場し、いよいよジークフリートとブリュンヒルデが登場。

???

れれれっ。ジークフリート、ほんのわずかなうちにえらく太ったんではないか?

劇場が暗いので、パンフレットを広げるわけにもいかず、悶々とした気持ちで観ていた私。何かが違う...

それでも場面は容赦なく進み、ちょっと違和感を感じながらもどっぷりとワーグナーの世界に浸かっていた。


一幕が終わり、隣に座っていたおじさんが私に聞いた。

”ジークフリート、どう思う?”

まだ状況が飲み込めていない私は言った。 ”ジークフリート、随分と急に太りませんか?”

”ぶぶぶっ” おじさんはもろに噴出した。”ジークフリートは前回の主役と違いますよ”

”...”


手元のパンフレットの表紙には、ジェイ・ハンター・モリスの写真が。

そっ、そうだったわよね。私、ブログにも書いたじゃない。メトもいろいろあって、ジークフリートがモリスに変わったって。(←すっかり忘れてた。これじゃ備忘録にもなっていない)

じゃあ、今日は誰が歌ってるの?

Stephen Gould。

この方です。
Ring 4 6-1

もちろんGouldも、ジークフリートのダブルキャストではあって、悪くはないはず。

だっ、だけど、ジェイ・ハンター・モリスのジークフリートはとてもカッコよかった... なので、彼のジークフリートをもう一度観たかった...
Ring 4 7-1


私はキャストを選んでオペラのチケットを買っているつもりでいたので、何故こんな初歩的な間違いを犯してしまったのか、自分が信じられなかった。それもこともあろうかリングの最終回でこんな致命的なミスをするとは。しかも当日まで気が付かないなんて。

ここで一気にテンションが下がってしまった私。(←っていうか幕が上がったらさっさと気付けよ)


一幕目のGouldはイマイチだったし...。この作品をもう一度見直そうかと、幕間の間うだうだ、くよくよと考えていた...。


でもね~、やっぱりワーグナーのリングです。

とくに「神々の黄昏」は今までのストーリーの最終章なので、耳に馴染んだライトモチーフがいっぱい出てくるし、音楽は豊かだし、すばらしい!

ブリュンヒルデ役のデボラ・ボイトは絶好調で、これ以上のブリュンヒルデはないくらいだった。テクニカルなことを言われているようだけど、彼女のエネルギーはまさにブリュンヒルデそのものだった。映画”マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙”で、サッチャーがメリル・ストリープに乗り移っているように見えたが、実在しないブフュンヒルデがいたとしたら、きっと今のデボラ・ボイトみたいなのだろう、と思わせるような舞台であった。
Ring 4 3-1
(この馬はちょっといただけなかったけど)

グンター役のIain Paterson、ハーゲン役のHans-Peter Koning、グートルーネ役のWendy Bryn Harnerも皆はまり役。とにかくキャストが揃いに揃っていたと思う。

そして、ジークフリートのStephen Gould。

2幕目から調子がでてきて、3幕目、ラインの乙女とのやりとり、彼の語りのシーンと本当に素晴らしかった。これが1幕、2幕と歌い続けてきた後に出る声か?と思うくらい、声量が豊かで、モリスとの見た目の違いも全く気にならないほど(おいコラっ!)、聞惚れてしまった。


あっという間の6時間でした。
Ring 4 2-1


賛否両論のRobert Lepageの舞台ですが、どうだったか、と聞かれると答えるのが難しい。シーンによってはなるほど、と思うところがイロイロある。

今回の「神々の黄昏」でも、プランクとビジュアルのコンビネーションはなかなかで、例えば3幕で、ジークフリートの語りのシーンで、川の流れの上を、小鳥がひらひらと舞うシーンはとても素敵だった。

またジークフリートの死の後、川で手を洗うと、川に血が広がり、やがてラインの川が真っ赤に染まるシーンは、アイデアがすごいと思った。

ところどころに演出のセンスのよさがキラリと光る。だけど、う~む。なんというか、ハイテクなんだけど、前のプロダクションのような伝統的なものも持ち合わせたような舞台で、じゃあここまでプランクを使わなきゃいけなかったのか、と思うと???だ。

とは言っても、ワーグナー。音楽の持つ力がすごいし、キャストもすばらしい歌手が勢ぞろい。そして新しい舞台は次はどうなるのか、ワクワクして観ることが出来る。

という訳で、私はover all、とても楽しませていただきました。


*****

このオペラを観ながら「地球の浄化」が頭をかすめました。

”神々の黄昏”の最後のシーンで、ラインの川が氾濫し、天界のヴァルハラも炎に包まれる...
リングの話は、愛を断念し、権力欲に走ったために起きた悲劇。

最近の自然災害や異常気象。かつてアトランティスの大陸が沈んだように、自然との調和せず、自分達の目先の利益ばかり追求している我々に、自然界がバランスを求めているのかも...。

リングって、もっと深い意味のある話じゃないのだろうか、なんて思いを馳せながら岐路についたのでした。

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テーマ : オペラ
ジャンル : 音楽

コメント

こんにちは!
リンクの件、ありがとうございました。

良いですねえ、METにすぐに行けるなんて!!
ライブビューは、やはり音響が悪くて最近は足がすっかり遠のいて、今年からNHKからwowowに放送が変わったので、それで「ワルキューレ」まで私は見ました。

やはり神たそでも、あの巨大な鉄琴(?)みたいな装置はまだ使ってましたのでしょうか?

ボイトは随分痩せたこともあり、なかなかキュートなブリュンヒルデで、好きです!今回も良かったようですね。

レヴァインさんの指揮でないのが、残念ですね。

Re: タイトルなし

こんにちは。

METで舞台を観られることは、本当にラッキーな環境だと思います。

METのリング、ご覧になっているんですね!嬉しいです。「神々の黄昏」でもあの巨大な鉄琴みたいな装置は健在でした(笑)。ジークフリートの時のようなガタン・ゴトンといううるさい音は立ててませんでしたが、本当にこれほどバジェットを使ってまで必要だった装置なのだろうか?というのは疑問です。

> ボイトは随分痩せたこともあり、なかなかキュートなブリュンヒルデで、好きです!今回も良かったようですね。
デボラ・ボイトは痩せてからパワーや音声が変わったと言われ、本人もしばらく苦しんでいたみたいですが、最近はメキメキと力をつけて魅了していましたが、今回のブリュンヒルデは本当に素晴らしかったです。

> レヴァインさんの指揮でないのが、残念ですね。
同感です。彼の指揮でこの舞台を聴けたらなぁ、と思いながら観ていました。

METの「神々の黄昏」をお楽しみに!

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マンハッタンを眺めながら、ニューヨークの出来事、映画、音楽、おいしいもの、旅の話などを徒然と綴ります。

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