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「命の叫び~福島の今を伝える」 講演会

東日本大震災からもうすぐ1年。

ここニューヨークでも、震災関連のイベントがいろいろと行われています。

そんな中、おとといの夜にメールが入って来ました。

福島から、震災直後最多で2500人が暮らした避難所で運営支援を指揮されていた方と、現在福島第一、第二原発で事故収束作業員として働く方がNYにいらっしゃり、お話が聞ける、というもの。

地震と津波の災害は、復興の青写真が出来つつあるとしても、福島原発の問題は、いまだに続き、この先どうなるかわからない、収束にはまだ程遠い大きな問題です。にもかかわらず、一体どんなことが起きているのかよくわからない...。

現場にいる方の生の声を伺える、ということで、講演に行って来ました。

*****

なんでもこの講演が決まったのが、講演の3~4日前だったそうですが、会場はほぼ満席で、60人位の方がいらっしゃっていました。

*****

最初にお話をされたのは、福島大学災害復興研究所研究員の天野和彦さん。

震災1ヵ月後に、震災直後最多で2500人が暮らした「ビッグパレットふくしま避難所」で、県庁運営支援チームの責任者として携わられたお話を伺いました。

地震/津波直後、情報がない中で、原発に近い富岡市に住む方々は、余儀なく避難を強要されたが、避難したものの高速は渋滞し、1時間に50mしか進まない。しかし、彼らが最初に避難した川内市もすぐに避難対象となり、郡山市へ皆避難しなければならなくなったこと。

天野さんは、震災一ヵ月後に避難所のひとつ、郡山市にある「ビッグパレットふくしま避難所」に着任することになった。行ってみると、地震の影響で広いコンベンションホールの広いフロアは使えず、廊下や周りの個室にたくさんの方たちが、数枚の毛布を敷いて無造作に横たわる大変な状態だったそうです。

着任後、組織を構築し、縦と横のコミュニケーション網をつくり、皆が持つ問題を共有/解決をし、その一環として女性専用ルームの設置をしたこと。

「生命を守ること」 そのための食事は寝るところの確保はできたものの、人はそれだけでは生きてはいけない。阪神淡路大震災や新潟県中越地震を経験されたスタッフからのアドバイスをもとに、被災者の方々の交流の場をもうけるため、「足湯」を実施。あたたかい湯を通し、閉ざされた心や傷ついた心を開く場を設けたこと。

さらに避難所の一角に「カフェ」をつくることで、自治活動が生まれたこと...。コーヒーショップを営んでいた方がマスターとなりコーヒーをいれると、そのまわりには清掃係、ウエイターなど、自分で率先して適材適所で活動をする人たちがでてきた。同時にカフェを通して人がつながりはじめた...。

管理し責任を押し付けるのではなく、自発して行われる自治...。これをどうやってつくり上げたらいいのかが課題であったそうだが、こうやって自治が生まれたそうだ。

このような内容を、テンポと切れのいいスピーチで話してくださった。

天野さんのお話で印象に残ったこと言葉は「人は寂しいと死ぬ」。人は人と係わっていないと生きていけない、ということ。

自分にあったアクティビティを通して、人とかかわり、社会とかかわる。それが自分を取り戻し、生きて行く元気や糧となる。食事や寝るところなど、人間の最低限の欲望が満たされると、人や社会とのかかわりが、とても重要になり、そういう場が必要なのだと言うことを語ってくださった。


そしてもう一方のお話は、福島原発で作業をされる北島教行さん。

この方は、フリーター全般労働組合の代表の方で、アクティビストとしていろいろな問題に係わり活動をされてきたのだそうだ。

アクティビストと聞くと、気性が激しく、正義感に燃え、ともすると自分の考えを押し付けるような強い人を想像してしまいがちになるが、この方の語りはとても穏やかで、語る言葉も一つひとつ選び、しかし静かな語りの中に熱い思いが込められている、という印象を受けた。

北島さんは、今回の原発問題で反原発デモを早くから立ち上げるも、考え方の相違で一旦その場からは引き、福島原発で作業活動をされているのだそうだ。

北島さんのお話によると、福島原発に片道30分、往復1時間をかけて通っているのだそうだ。しかも重装備を付けて。現場に通うだけで10マイクロシーベルトの放射線を浴びているそうだ。

作業場所での休憩所では12~14マイクロシーベルトの放射能。

通常では0.6マイクロシーベルト以上になると管理区域となるそうなので、いかに危険な場所にいるのかがわかる。

現在福島原発で仕事に従事されている方の8割の方が地元の労働者なのだそうだ。

この原発事故収束作業員の一稼働日給は8000円から10000円。待機日は日給ゼロ、一切の保障なし。そんな状態で働いているのだそうです。

彼らがこんな条件で今も働いているのは、経済的理由と、もし自分達が職場を放棄してしまった場合の大きな被害を理解しているがため、放棄できないでいる、という二つの理由のため。

原発収束作業についての報道には出てこない、現場で働く人々。

原発という人間がつくり出してしまったモンスターに対し、人間が休まず作業に当たっていることを知ってほしい。そして彼らの労働条件の改善と向上を、北島さんは願っていました。

北島さんは、彼らが低賃金で仕事に従事していることを語ったとき、言葉を詰まらせていました。過酷な労働条件に耐えながらも、自分や家族のため、そして人類に膨大な被害を与えないため、原発で働いている同僚を思い、続ける言葉が出なくなってしまったのでしょう。

北島さんのお話は、現場で働き、同じ危険な現場で働く人々を自分の目で見て感じたことを語っているため、とても胸に迫るものがありました。

*****

では、ニューヨークにいる我々は何が出来るのか?

この問いに対し、お二人は同じことをおっしゃっていました。

*今起こっていることを知ること。
*知ったら行動に起こすこと。(知ったことを人に伝えること、この広がりが必要だとおっしゃっていました)
*そしてマンハッタンから50マイル離れたインディアンポイントの原発停止を訴えること。

この3つを語っていました。

今回の講演の主催者の一人である、テムラク歩美さんのお話では、インディアンポイントで一人の作業員が汚染水に足を浸かってしまった際に、最寄の病院に連れて行くのに、60人もの人が携わり、病院に連れて行き治療を完了するのに5時間かかったとのこと。

ならば万が一ここで原発事故が起こった場合、どのように被爆者の対応できるのだろうか考えて欲しい、と語っていました。

福島第一原発は稼働40年でストップするはずでした。しかしさらに20年運転を延長を決め、稼働41年目にして起こった悲劇です。もし40年でストップしていたら、ここまでの災害は起こらなかったでしょう。

インディアンポイントも40年でストップする予定が延長することを申請しているそうです。同じような間違いを起こさないためにも、知って、行動して欲しい、とおっしゃっていました。

*****

このような貴重なお話をうかがうことが出来たことに感謝します。
またこの問題について深く考えるきっかけができました。

現場で働いていらっしゃる方々については、本当に頭の下がる思いです。そのような方達がいるからこそ、なんとかまだ日本は持ちこたえているのです。

そんな方達も被災者だと私は思います。

少なくとも賃金の改善や保障が得られる環境になれないものか。

いろいろと考えさせられた夜でした。


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Re: タイトルなし

こんにちは。
>
日本では震災の特集をいろいろなところでやっているようですね。こちらでは本当に限られた情報しか入ってこないので、どんなことになっているのか、情報を得るのが大変です。

たくさんの方達が今も苦しみ、たいへんな思いをされていらっしゃるんですよね。

このことを忘れずに、私も今できることを考えて行いたいと思っています...。

初めまして(*^^*)

 初めてコメントします。私は幼い頃からNYに憧れていました☆なので、必然的にこちらのBlogタイトルに惹かれて(笑)読ませていただいてます! 写真のUPも多く、季節感~場所の雰囲気~街のお店の様子や食べ物~等々~本当に楽しく読んでます♪私は仕事で初海外がヨーロッパでしたが、その頃も懐かしく~又、NYにも早く訪れたく思います!(海外TV『SATC』も大好きデス!笑)ミュージカルだけでなく、オペラも是非観に行きたいと思います!! ところで福島原発関係者や被災地で働かれている方々の講演のお話…とても危機迫る思いがしました。まだ何も終わってない…まだ始まってもいないと思います。40年で原発停止予定だった事、また恐ろしくも延長を決めた事…知らなかったです。41年目に災害が起きた事…偶然は1つもないのですね。原発で正義感を持って実際働かれている方々の事も広めなければ…と思いました!世界中の皆でシェアする問題だと強く思いました。原発問題は、今までないがしろにしてきた分も含めて、何を置いても真っ先に取り組むべき事だと思います。。。
 またBlogのUPを楽しみにしています(^-^))

Re: 初めまして(*^^*)

アケリンさん、はじめまして。
コメントありがとうございます。

私もSATCはだ~い好きです。SATCが放映されていた頃は、ドラマの中の彼女等の年齢に近かったし、あれほど派手ではないにしても、食事に出かけたり、バーに行ったり、似たようなことをしていました(笑)。感じることも共感できることが多くて、毎週観てました。

ニューヨークは本当に沢山のアクティビティがギッシリと詰まった街なので、きっと好きなものが見つかるはずです。

ところで震災のこと、同感です。地震は防ぐことはできなくても、原発の事故は防ぐことができます。今回の福島の惨事が1年経っても解決されないどころか、手もつけられない状態であることを、現実として受け止めなければならないと思います。死と引き換えに、エネルギーがそれほど必要なのか、気付かねばならないと思います。

放射能を浴びながら原発で働いている方々。こういう方を犠牲にしてまでエネルギーが必要なのか。もっというと、こういう事実を我々が知り、ちゃんと判断できるようにしていかないといけないのだと思います。だからアケリンさんのおっしゃるように、起こっていることをシェアして知ること、が大切なのだと思います。。。

これからも、ニューヨークの話題をいろいろと書いていきますので、ブログを覗いてみて下さいね~!


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マンハッタンを眺めながら、ニューヨークの出来事、映画、音楽、おいしいもの、旅の話などを徒然と綴ります。

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