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映画 「愛、アムール」

今回アカデミー賞ノミネート作品を見てさすがだなと思ったのは、「愛、アムール(原題: Amour)」が、外国語映画賞のみならず、作品賞、監督賞、主演女優賞などにノミネートされていたこと。

Amour 1

この映画はミヒャエル・ハネケ監督の作品で、カンヌ映画祭でパルム・ドールを受賞した作品だ。


ストーリーを簡単に説明すると、

元音楽教師だったパリに住む80代の老夫婦ジョルジュ(ジャン=ルイ・トランティニャン)とアンヌ(エマニュエル・リヴァ)は、余生を優雅にすごしていた。が、アンヌが倒れ、下半身麻痺の後遺症に加え、認知症が日々悪化していく。自宅で療養したいというアンヌの希望で、自宅介護をし、献身的な介護をするジョルジュであったが、妻の症状が重くなるにつれ、最終的な決断にむかっていく...


映画の冒頭シーンで、向かっていく先が示されるので、観客はなぜそうなったのか、それに至るまでの過程を知るために映画をみることになる。

美しく、聡明で、エレガントであった妻は、だんだんとその面影を失っていくが、夫ジョルジュは娘の手も借りず、変わり果てていく妻を変わらずに愛し続け、介護する。その姿は頭が下がる思いだ。
Amour 2-1

しかし母の介護から締め出された娘は、本当に自宅療養が一番の選択肢であるのだろうかと疑問に思う。そのことについて語り合わない父の態度にフラストレーションを感じている。


私も父が病気を患ったときはいろいろあったし、AL君家族も今似たようなシュチュエーションなので、その様子が重なり、観ていてつらい、というか、映画の中の話ではなく、とてもリアルに身近なことと感じてしまいました...。実生活で、似たようなところに身を置いている方は、この映画を観たら身につまされるというか、かなり辛く思うと思います。(←というか、この映画を観る、という選択はしないですよね)


ただ、映画を観てよかったな、と思ったのは、自分が泥中にいると、自分の立場や立ち位置で見えること、考えることが中心となり、家族の他の人の立場では物事が見えなくなるのに対し、映画という媒体を通して同じような状況を見ると、それぞれの立場において客観的に物事がみえること。

例えば、夫ジョルジュは、妻アンヌが絶対に施設に入りたくない、と願うため、彼女の希望を尊重して自宅介護をする。また遠く離れた娘には大変な思いをさせたくないし、介入もされたくないので、娘には多くを語らないで入る。

しかし娘にしてみれば、それが本当に母にとってベストなのか、理解できず、かたくなな父に不満や反感を感じる。

彼らの行動の原点をたどると、すべて「愛」につながり、「愛」から起こる行動なのだが、それぞれの立場によって、愛する人に対して考えるベストな選択が違うため、ボタンの掛け違えがおこってくる。

観ててやっぱり辛いのは、誰もアンヌが一番望んでいることが何か、を確信を持って答えられないこと。
Amour 3-1


彼女がまだちゃんと理性を持って考えることができた時に、”夫に懇願したこと=ジョルジュが彼女にしてきた自宅介護”が、果たして彼女が本当に最後に望んだことだったのだろか、誰にもわからないことが観ていて辛い。確かに彼女が懇願した頃は彼女は自宅介護を望んでいただろうが、その時は、まさか自分が寝たきりで、言語も不自由になり、夫を苦しめる存在になるとは思っていなかっただろう。もしそこまで考えていたら、彼女は夫にこのようなことを懇願しただろうか?

でも彼女と交わした最後の約束を守るべく、ジョルジュは尽くす。自分が精神的にボロボロになるまで...。


アンヌ演じるエマニュエル・リヴァは、今まで出来てきたことが一つひとつできなくなっていく様をリアルに演じ、鳥肌ものだった。体は動かなくなり、顔からは表情がぬけ、言葉もあ~、う~、と発せられなくなる...

ジョルジュ演じるジャン=ルイ・トランティニャンは、老体にむち打ちながらも、妻のために本当に尽くす。たとえ周りに理解されないとしても、これが彼の妻への愛情表現なのだ。


少なくとも私にとってこの映画は、ちょっと辛いというか観た後尾を引く映画ではあったけれど、我々世代が抱える介護問題を客観的に垣間見ることが出来、実際にその立場にもどったらそんなふうに客観的に考えられることができるかはわからないけれど、ひとつ心の引き出しに入れておける考え方を授けうけた、そんな映画でした。


PS: ゴールデン・グローブのレッドカーペットがはじまりました~。今日はこれからずっとTVにくぎづけで、ゴールデン・グローブを観る予定です


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テーマ : 映画館で観た映画
ジャンル : 映画

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Re: Re: タイトルなし

> こんにちは。
>
> そちはら随分と雪が降ったようですね。大丈夫でしたか?
>
> この映画、痛い映画でした...。でも私は映画を通して、老夫婦の立場から物事が見えて、よかったと思います。
>
> アンヌ役のエマニュエル・リヴァの演技はすごかったです。美しいエレガントな女優さんなのに、表情のない、言葉も発せない、寝たきりの老婆の役をとてもリアルに演じてました。
>
> 辛い映画だし、フィルムの撮り方が、1カットが長く、老夫婦の居間で彼らを観ているような作品なので、好き嫌いが分かれると思います。私としてはアカデミー賞にノミネートされるのは納得の作品でした。
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