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深津絵里 「春琴」

今年も「リンカーンセンター・フェスティバル」の季節がやってきました。

世界各国からダンス、演劇、オペラなど厳選された演目が一同に集まり、約3週間パフォーマンスを繰り広げます。

今年は面白そうな演目が目白押しで選ぶのが大変!


その中で楽しみにしていたものの一つが「Shunkin (春琴)」でした。

谷崎潤一郎原作の「春琴抄」と随筆「陰翳礼賛」をモチーフにした作品で、日本では2008年に上演。
その後ロンドンやパリでも上演されたものが、今回ニューヨークのリンカーンセンターにやってきました。

「春琴抄」というとめちゃくちゃ日本的な題材なのですが、この作品の演出家はイギリス人 サイモン・マクバーニー。なんでもサイモンさんの頭の中に10年以上この作品を舞台にする構想があったそうで、この作品をどう舞台にさせているのがと~っても興味がありました。


谷崎潤一郎の「春琴抄」の物語はほとんど覚えていなかったので、事前にチェック。

*****

大阪の薬種商の家に産まれた春琴はとても美しい子供であったが9歳の時に盲目になり、その境遇からわがままに振舞うようになっていた。家族が手を焼いていたところ、彼女の家へ仕える奉公人の佐助を春琴が気に入り、彼女の申し出で佐助が彼女の身の回りの世話を一切するようになる。

やがて三味線の上手い春琴から佐助も習うようになり、女主人と奉公人という関係から、さらに師匠と弟子の関係となる。

彼女が成長するにつれ、さらにわがままに振舞う春琴だったが、佐助は彼女に献身的に仕える。

春琴が20歳になったころ、三味線の師匠が他界し、それを期に三味線奏者として独立した。春琴の腕前は確かで、弟子もたくさんついたが、彼女の美貌が目当てで弟子になったいた者もいた。その一人が、春琴を口説こうと試みたが、彼を袖にしたばかりかケガをさせてしまう。

その恨みもあってか、ある者が春琴の屋敷に忍び込み、春琴に熱湯を浴びせる。顔に大やけどを負った春琴は、醜くなった顔を佐助には見られたくない、と言う。

佐助は自ら針で両目を刺し、盲目となってその後も春琴に仕えた。

*****

ざっくりと書くとこんなストーリー。


今回の舞台は、シンプルで小物を上手く使った舞台。

幼少の春琴は人形を使って表現しています。深津さんともう一人の方と、2人で人形を動かし、深津さんが声を担当。
Shunkin 2

この人形の春琴がリアルで、本当に女の子に見えます。

春琴が子供から少女になると、人間が人形のお面をつけて、人形として演じます。

人間が演じているのですが、これまた深津さんともう一人の方が、人形として扱うのが面白い。それが本当に人形みたいな動きなのがすごい。

そして成熟した頃からの春琴を深津さんが生身の体で演じていました。

深津さんは、少女から成人までの春琴を声で、その後を体で演じるのだけど、少女の頃は子供のようなかわいらしい声をし、その声音がだんだんと大人びてくる様子を演じ分けていて、それがとてもリアルでした。

彼女は本当に優れた役者さんです。

Shunkin 1


この舞台は、最初現代からはじまり、3人の語り手によって語られる作りになっていました。

その語り手とは、老年になった佐助と、谷崎潤一郎と、現代の女優さん。

そのナレーション役の女優さんがまた面白い役どころ。

「現代のNHKのナレーションを録音する女優さん」という役なのだけど、昔の話と現代が交差し、春琴の恋愛話と彼女の恋愛話がからみあい、まるで私たちが劇場を出た後にするであろう会話が、劇中劇で行われます。


この舞台、本当によく出来ていて、できることなら何回でも観たい。


春琴と佐助の究極のラブストーリー。

幕が開くと、すすり泣いている人や、鼻をぐずぐずとさせている人がちらほら。

こういう話はアメリカ人に理解できるのだろうか?と思っていた私は、う~ん、わかる人もいるんだな、と、ちょっと驚き。主従関係や師弟関係のあるヨーロッパでは受け入れられるのはわかるのだけど、アメリカではピンとこない人もいるかも。

でも私的にはこの舞台にものすご~く感動し感銘を受けました。

役者さんも皆すばらしかったし、プロダクションも本当によくできていました。

こんな素晴らしい舞台をみれて、本当に幸せ。こういう時、ニューヨークに住んでいてよかったな~、とつくづく思います。

今度機会があったら「春琴抄」の原作を読んでみたいな~。


PS: この舞台は今後、東京と神戸にも行くそうです。

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テーマ : 演劇
ジャンル : 学問・文化・芸術

コメント

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Re: タイトルなし

こんにちは。

「春琴抄」を中学生の頃に読まれているんですね。映画はもしかして山口百恵さんのですか?

お知り合いの方のお話、是非聞かせてください。

深津絵里さんは、本当に演技が上手いと思います。春琴は機嫌のいい時と、意地悪の時など、いろんな顔を持つ女性なのだけど、その時々で声音が変わるし、年齢でもまた違うし、引き出しをたくさんもたれている女優さんだと思います。

> 私も機会があったら見てみたいです。
東京でもこの作品が上演されるみたいなので、機会があったら是非!!本当にいい芝居です!!

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マンハッタンを眺めながら、ニューヨークの出来事、映画、音楽、おいしいもの、旅の話などを徒然と綴ります。

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