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映画 「風立ちぬ」

NYフィルムフェスティバルで、もう一つの映画を観てきました。

宮崎駿監督の「風立ちぬ(The Wind Rises)」です。


この日会場はほぼ満席だったと思います。日本人もいましたが、宮崎駿アニメーションを愛する日本人以外の人のほうが圧倒的に多かったように感じました。

特に若いアニメーションファンの人が目に付きました。それほど日本のアニメの人気の高さが伺えました。


上演前に、宮崎駿さんの最後になるかもしれない作品と紹介がありました。でも去に何度も引退がささやかれていたので、本当に最後かはわかりませんが、とちゃんと注釈がつきましたが。こちらでも宮崎駿さんの引退はニュースとして取り上げられています。


さてさて、この映画を観終えて、私はしばらく立てませんでした。

本当に、本当に感動しました。


切り口が沢山あるので、どこから書いていいのやら、まだまとまらないのだけど。


この作品を観て大きく胸をズキンとつかれた思いをしたひとつは、クリエーターとして生きる次郎の行き方について。

物事をクリエイトするには、”インスピレーションが大事なのだ。技術はあとからついてくる”というフレーズ。

アップルのスティーブ・ジョブズしかり。

ビジョンを描ける人がいて、目指す道を見ることが出来る人が皆をひっぱり、そこにたどり着くように技術を追いつかせていく。

「美しい飛行機を作りたい」
Wind Rises 1

美しい飛行機を作らずにはいられない、というクリエーターの魂が次郎を突き動かし、さらに速く、軽い飛行機作りにのめりこんでいく。

それに夢中になり、昼夜そのことばかりを考え、家族を犠牲にし、作られた飛行機は、人を殺戮する道具として使われていたとしても。

映画のラストシーンで、次郎がずっと崇拝していたイタリアのカプローニおじさんとの会話で、こんなシーンが出てくる。
Wind Rises 2

「君の10年はどうだったかね」

「最後の方はボロボロでした」

「そりゃそうさ。国を滅ぼしたんだからな」

作られた機体は”一機も帰ってきませんでした”という言葉に、失った命の多さと、大戦の悲劇の深さを一言で現していました。


「美しいものを作りたい」という純粋な気持ちで飛行機作りをしていたはずなのに、結果、沢山の人を殺す兵器を作りだしていたという事実。

それでも作り出さずにいられなかった次郎のクリエーターとしての業。


でも今までの日本は、そんな多くのクリエーターたちが日本を支えてきたのだなぁ、と映画をみてしみじみと思いました。

さらに便利なものを、さらによいものを、と突き詰めて、素晴らしい日本製品の数々を作り出して、「高性能、高品質=メイド・イン・ジャパン」という を定着させていったのだと思いました。

私がアメリカに来た1980年代半ばは、メイド・イン・ジャパンは安かろう、悪かろう、と見られていた最後の時期。当時、海外でそのように日本製品について見られていたとは知らずにいたので、かなりショックを受けました。

でも、そのあとすぐにメイド・イン・ジャパンは高性能、高品質という認識が定着し、アメリカにも日本製の製品が溢れていました。

それは「いいものを作ろう」と目指していた人々のビジョンと努力があったから。


他にも、

近眼であったためパイロットになることを早くにあきらめた次郎は、飛行機を設計する設計技師になることを夢見ますが、

空を飛ぶことはパイロットに任せ、エンジニアは飛行機を作ることに徹すればいい、

というようなフレーズが出てきます。

人にはそれぞれ役割があり、適材適所、自分の出来る分野、得意な分野でがんばればいい、ということや、

夢を持つこと、

震災を経験した日本が立ち上がり、復興していくさま、

さらに大戦をむかえる日本、

新しい技術をどんどん取り入れ、常に世の中の動きの先をみてクリエイトしていくビジョン、

それに菜穂子とのからみ、

など、本当に沢山の切り口があって、どうまとめていいかわかりません。


でも一つ言えるのは、これもカプローニおじさんが次郎に言った会話、

「創造的人生の持ち時間は10年だ。君の10年を力を尽くして生きなさい。」


クリエーターとしての宮崎駿さんは、創造的人生に力を尽くして、引退を決めたのだろうな、と感じました。


それから、全編に出てくる日本の美しい田舎の風景。

これは海外に住むものにとって郷愁をものすごくそそります。あの美しい国が私の故郷なのだ。その国は、今どこへ進もうとしているのだろう、なんてことも映画を観た後考えたりしました。


この作品、劇場に来たらもう一度(といわず何度も)観たいと思います。


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テーマ : 映画感想
ジャンル : 映画

コメント

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Re: タイトルなし

こんにちは。
そうなんです。もう一本は「風立ちぬ」でした。

やっぱりもうご覧になっているんですね。

日本で喫煙の場面が問題になっていたのは何かで読みました。でも時代考証と実在のモデルを考えた時に必要だったのでしょう。これこそがクリエーターの直面する問題で、クリエーターとしては次郎を表現する時に大事なモチーフだったのだと思います。

ゼロ戦のことで韓国からバッシングを受けていたのは知りませんでした。

この映画をアメリカの映画館で観るのはちょっと勇気がいるかな、と観ながら思いました。「この飛行機でどこに爆弾を落とすんだろう?アメリカかな?」なんていう会話や、ドイツのことを話す会話など、ヒヤヒヤもののダイアローグもあったので。

それも含めてこの映画をアメリカ人や海外の人たちがどう受け止めるのか興味があります。

> 震災後のこれからも、日本の底力を発揮してほしいです。
本当にそう思います。過去に何度も這い上がってきた日本。高い技術を持った国なのだから、今回の震災も原発問題も底力を発揮して、克服していかねば、と思います。

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